令和8年熊本地震の発災から2週間となる2026年8月12日、熊本市からの要請を受け、熊本市内の拠点避難所3カ所に当社のシャワーユニットを設置しました。
中央区・大江公民館には車いすのまま利用できるコンテナタイプを、東区・秋津公民館と西区・花園公民館には組み立て式のコンパクトタイプを設置しています。
この設置に至るまでの現地の様子は、富山テレビ放送のニュース番組「ライブBBT」にて、2026年8月19日(水)・20日(木)の2回に分けて放送されました。
放送では、避難所の生活環境を改善し災害関連死を防ごうとする現場の取り組みが伝えられ、当社会長・谷本年春のコメントも取り上げていただきました。
富山テレビ放送の自社制作ニュース番組「ライブBBT」にて、熊本地震の現地リポートが2回に分けて放送されました。避難所に資機材を届ける現場に密着した内容で、当社のシャワーユニットが設置される様子も取り上げられています。
放送内容の詳細は、フジテレビ系列のニュースサイト「FNNプライムオンライン」でご覧いただけます。

今回の設置は、突発的に始まったものではありません。
2026年5月、熊本市が主催する「熊本地震10年事業 TKB48避難所訓練」が実施されました。
株式会社シェルターワンが企画・運営を担い、自治体・災害支援団体・民間企業など多くの機関が参加した実動訓練で、当社も協力企業の一社として参加しています。
避難所に必要な資機材をいかに早く、確実に展開するか。その手順を、実際に体を動かして検証する場でした。
その3カ月後、令和8年熊本地震が発生しました。
発災から2週間が経過した8月12日、熊本市からの要請を受け、避難所の集約に伴って拠点避難所となった3カ所にシャワーユニットを設置しました。
訓練で確認した展開手順が、そのまま実災害の現場で運用されたかたちです。
設置されたシャワーはコイン式で、利用される方は避難所の受付で専用のコインを受け取ってご利用いただく運用としました。
無償で提供しつつ利用管理ができる仕組みで、混雑の平準化と、限られた水・電力の適切な配分に配慮しています。
避難生活が長期化するなかで、体を清潔に保つ環境をどう確保するか。
現地での課題に対して、一つの答えを届けられたと考えています。
| 設置場所 | タイプ | 特長 |
|---|---|---|
| 中央区・大江公民館 | コンテナタイプ(車いす対応) | 車いすのまま入室でき、介助者と一緒に利用できる広さを確保 |
| 東区・秋津公民館 | 組み立て式コンパクトタイプ | 少人数・短時間で設営でき、限られたスペースにも設置可能 |
| 西区・花園公民館 | 組み立て式コンパクトタイプ | 同上 |
災害時の入浴で、もっとも後回しにされやすいのが要介護の方々です。段差がある、スペースが狭い、介助者が一緒に入れない――そうした理由で「順番が来ても使えない」という状況が、これまでの被災地で繰り返されてきました。
このタイプは、車いすのまま入室できる構造とし、介助者が同時に入れる室内の広さを確保しています。開発のきっかけは、被災地で聞いた介護者の方々の声でした。「要介護者の入浴が難しい」という現場の切実な訴えが、そのまま設計要件になっています。
災害時のシャワー設備に求められる条件は、性能よりもまず「早く立ち上がること」です。どれほど優れた設備でも、避難所に届くのが1週間後では意味がありません。
当社の組み立て式ユニットは、専門の作業員でなくても、少人数・短時間で設営できるよう構造を単純化しています。分解して輸送できるため、大型車両が入れない避難所にも展開しやすいという利点があります。

海水浴場などにコインシャワーを設置し続けてきて、45年になります。
その積み重ねのなかで分かってきたのは、限られた水と電気で、いかに多くの人に気持ちよく使ってもらうか、という一点でした。被災地でも清潔を保っていただけるように、というのが私たちの考え方の出発点です。
車いすタイプは、被災地で「要介護の方の入浴が難しい」という介護者の方の声を聞いたことから生まれました。避難所では、どうしても後回しにされてしまう方がいます。そこに届く設備をつくらなければ意味がない、と考えています。
設置先である大江公民館の運営に携わる熊本市中央区まちづくりセンターのご担当者からは、避難されている方に高齢の方が多いことから、バリアフリーのシャワーブースは喜ばれるだろう、というお言葉をいただきました。普段とは異なる避難所という環境にあっても、日常の「生活」を取り戻す一助になれば、との趣旨のコメントです。
災害で亡くなる方には、建物の倒壊などによる直接死のほかに、避難生活のなかで体調を崩して亡くなる「災害関連死」があります。過去の大規模災害では、災害関連死が直接死を上回った例も報告されています。
避難所の環境改善を語るとき、近年よく使われるのが「TKB」という言葉です。T=トイレ、K=キッチン(食事)、B=ベッド(寝床)。この3つを早期に整えることが、災害関連死を防ぐうえで重要だとされています。
そして、この3つと並んで欠かせないのが入浴・清潔の確保です。
体を洗えない状態が続くと、皮膚のトラブルや感染症のリスクが高まります。汗をかく夏場であればなおさらです。加えて見過ごせないのが、精神面への影響です。汗と埃にまみれたまま何日も過ごすことは、被災された方の気力を確実に削っていきます。「体を洗えた」というただそれだけのことが、日常を取り戻す感覚につながる――これは、私たちが被災地で繰り返し聞いてきたことです。
もう一つ重要なのが、タイミングです。
シャワーが避難所に届くのが発災から2週間後なのか、3日後なのか。この差は、単に「早い・遅い」の問題ではありません。避難生活で体調を崩す方が出はじめるのは、まさにその期間だからです。だからこそ、資機材そのものの性能と同じくらい、「どれだけ早く、確実に展開できるか」という設計が問われます。
当社が組み立て式にこだわり、平時からの訓練に参加し続けているのは、この一点のためです。
災害用シャワーユニットは、発災後に手配しようとしても間に合いません。どこに、何台、どのタイプを備えておくか。誰が、どの手順で設営するか。これらを平時のうちに決めておくことが、発災3日目からの運用を可能にします。
当社では、自治体・企業のご担当者さまに向けて、以下のご相談を承っています。
まずは資料をご覧いただくだけでも構いません。お気軽にお問い合わせください。